新刊ラジオミニマム「儚い羊たちの祝宴」
みなさんこんにちは。ブックナビゲーターの南雲希美です。 今回ご紹介するお薦め本はこちらです! 新潮文庫よりでております、米澤穂信著「儚い羊たちの祝宴」という本です。 米澤さんといえば、大ヒットアニメの「氷菓」、映画化もされた「インシテミル」、そして高校生推理小説の「小市民シリーズ」など数多くの作品を出されていますよね。 「氷菓」や「小市民シリーズ」は青春ミステリといいますか、日常に潜む謎を登場人物たちが解き明かしていく、というストーリーで、シリアスな場面もありつつ、日常シーンはほのぼのしていて、こういう青春いいなぁ、なんて感じるところが多いのですが、今回ご紹介する「儚い羊たちの祝宴」は……怖い。 自分、本書読む前に小市民シリーズを読み返していて、その流れで読んだら「あれ?選ぶ作者さんの棚間違えた?」ってくらい、もの凄い衝撃でした。テイストが違うので、そういう読み方もお勧めですよ! もはや比喩じゃなくて、背筋凍りました。 読んでるときはどこに伏線があるかわからないのですが、ラストまで読むと、理解と共に、なにか黒く冷たいものが背後を通っていくというか。(体験談)あまり脅し過ぎても怖くなくなっちゃうかな、と思うのですが、ひた…ひた…って。文章から冷たいものが確実に歩み寄ってきます。 決して幽霊的な怖さではないんです。ただ、本書の裏表紙にも書いてあるのですが「暗黒ミステリ」って単語がすごくしっくりくる。ミステリじゃなくて、暗黒ミステリ。 さて、そんな本書は、5篇の短編が収録された一冊となっています。とあるキーワードがどの物語にも共通で出てくるのですが、そのキーワードをめぐる五つの事件が、それぞれで描かれています。 自分が一番好きな短編は『玉野五十鈴の誉れ』というお話です。個人的にブラック度ナンバーワンでした。 (この物語、実は本書の前に色々な著者さんの作品を収録した別の短編集で読んだことがあったのですが、改めて読んでヒヤッっとなりました) ざっくりあらすじを言いますと、このお話は小栗純香という高貴な家柄のお嬢様と、彼女の使用人である玉野五十鈴の物語です。 純香が15歳の誕生日に、祖母から「人を使うことを覚えなさい」と使用人として五十鈴を与えられます。五十鈴はとにかく命令に忠実な女の子。言いつけは必ず守り、ふるまいには隙がない、使用人の鑑のような子です。 一緒に過ごしていくなかで、純香は五十鈴のことを友達のように感じていきます。主人と従者の距離を保ちつつも、一緒に学生時代を過ごし、二人が共同生活をするシーンもあるのですが(ここめっちゃいいシーンなのでイチオシです、色んな意味で)そんな中、事件が起こります。 そこから紆余曲折を経て、五十鈴が従者の任を解かれてしまうことになり、純香にとって地獄のような日々がはじまるのですが…と、ざっくりあらすじを言いましたが、これ以降が本番!くらいの勢いなので、彼女たちはもちろん、他の重要人物たちとの関係性や、それぞれのバックグラウンドなどぜひ注目して読んでみてください。 そして、解説もぜひご覧いただきたいです! 本書を読んで不思議だったのが、個人的に、全編通して登場人物への感情移入がほとんどできなかったんです。自分にしては珍しく。 普段なら、そもそもの設定やキャラクターの気持ちを想像して「わかる!私もその状況ならこうするなぁ」と感じることが多いのですが「え!?それやっちゃうの…!??」という、なんといいますか、客観的に物語を眺めてたような感覚が強かったんです。 でも、すごく面白かった。 何故こんなに惹かれるのかと思いながら解説を読み終えたとき、自分がそう感じた理由のヒントをもらえたような気がします。 ネタバレになりうるのでここでは詳しく言えないのですが、5篇の短編、そして解説、全部ひっくるめて、シビアで、冷たくて、裏がある。 そんな一冊となっています。 そう、なんで本書を紹介しようと思ったのかというと、最近暑くなってきたから。笑 夏の真夜中に、静かな部屋で、読んでみてください。 雰囲気出ますので、ぜひ。(体験談2) そんな暗黒ミステリな本書。 背筋が凍る世界を楽しみたい方、ほのぼの系とは違ったミステリがお好みの方、特におすすめです。 これからの季節、夜のお供にいかがでしょうか?
新刊ラジオミニマム「最高の体調」
みなさんこんにちは。ブックナビゲーターの南雲希美です。 皆さんは普段の生活で、ぶっちゃけ、なんか疲れてるな~、仕事のらないな、とか、自分の人生、これでいいんか…とか、原因はわからないけどなんか不調だな~って思うことはありませんか? そう思うのって特に現代人、多いんですって。自分もすごくわかるんですけど、いつも何か不安だったり、よくわからない疲れに悩まされたりして、そのうえで自分を責めちゃう人が、特に多いんですって。 仕事が終わらないのは自分の作業が遅いから悪いんだ、とか、太ったのは私の意志が弱いせいだとか、過去の自分にグッサグサささってましたが、でも、そこで、悪いのは自分だ、と思うのは違うのですと!そもそも、人類の文明をさかのぼって考えればそう思うのは当然なんだよ、って根拠を述べつつ教えてくれるんです。 自分はずっと、しょぼーんてしたときに、「結局自分が悪いんだよな…」って思ってたことが多かったのですが、本書を読んで、ああ、そりゃそう思うよね。人間だもの。って、元気をもらった!というより、すごく納得しました。 先ほど、ちらっと文明って言ったのですが、環境の変化が人類に与えた影響を見ていきながら、対策する、進化論をベースとした考え方を本書ではしている。 科学的な根拠をもとに、なんだ不安を感じてしまうのか、なぜ不調が起こってしまうのかを段階を踏んで説明しながら解決策まで提示してくれるので、説得力がすごい上にめっちゃわかりやすい! 詳しいことはぜひ本書を読んでいただきたいんですけど、「自分の最高のコンディションを実現する方法」を科学的に教えてくれる一冊といえるかと思います。 どうすれば良い体調を実現できるかということについて、不安が生まれる仕組みから解消方法、体調をよくする食事法、人生における価値観について、など、理論的に詳しく述べられています。実践しやすいものが多く収録されているのでお勧めです。例えば、体調をよくする食事法なら、とるべき栄養素とか、このサプリはおすすめ、とかかなり身近なので、すぐに行動に移せるかと思います。 というところで、日々の生活に疲れている方、不安を抱えている方、そう感じているのはご自身のせいではないので!元気出していきましょう!と言われて出たら苦労しない…と思いますので、ぜひ本書ご参考に、皆さんにとっての最高の体調を手に入れてください!
新刊ラジオ第1943回「キャッシュレス生活、1年やってみた 結局、どうするのが一番いいんですか?」
現金とキャッシュレスの未来 みなさんこんにちは。ブックナビゲーターの南雲希美です。 「キャッシュレス」という言葉がなじみ深くなっているこの頃、皆さんは支払いや決済にどんな方法を使っていますか? 現金、クレジットカード、スマホ決済…様々なやり方がありますよね。私はキャッシュレス可能な店舗であれば現金を使わず決済してしまいます。なぜならポイントを貰えることが多いから! 今回は、そんなキャッシュレス決済に関して詳しく書かれた一冊となっています。 著者の美崎さんご自身が1年間実践した「キャッシュレス生活」の経験をもとに、おすすめの決済アプリ、キャッシュレス時代のクレジットカードの選び方など、これからの時代に役立つ情報がたっぷり詰め込まれています。 1年間のキャッシュレス生活で見えてきた、現金とキャッシュレスの未来とは……? といったところで、今回はスタジオに美崎 栄一郎さんをお迎えして、実際にお話を伺っていきたいと思います。 ◆著者プロフィール 美崎 栄一郎 (みさきえいいちろう)さん。ビジネス書著者、講演家、商品開発コンサルタント。1971年生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科修了後、花王でサラリーマンとして働くかたわら、社外の社会人向けに勉強会・交流会を主催。2011年の独立後は数多くの商品開発を支援する一方、団体向け公演や個人向けセミナーを積極的に展開している。 著書はサラリーマン経験をもとに、使えるノウハウをまとめた『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』、『iPadバカ』など40冊以上。 ================== 【3章:海外編】 ※本書の紙版では読むことができない幻の「3章 海外編」が祥伝社のウェブサイトにて公開中!アメリカ、アメリカ、ヨーローパ、中国、台湾、香港などの海外キャッシュレスの現状と今後を美崎さんが視察。海外ではどこまでキャッシュレス化が進んでいるのかを知ることができます。 閲覧は下記URLより。 http://shodensha.tameshiyo.me/9784396617189 【メルマガ】 本書の刊行を記念して、キャッシュレス生活のお得情報が満載のメルマガスタートしました!キャッシュレスの最新情報をタイムリーに知りたいなら今すぐ登録! https://www.mag2.com/m/0001690719.html ==================
新刊ラジオ第1942回「会社を50代で辞めて勝つ! 「終わった人」にならないための45のルール」
50代からでも遅くない! 会社を辞めて新しいスタートを切る方法とは? みなさんこんにちは。ブックナビゲーターの南雲希美です。 今回は、フリーランスにまつわる一冊です。 昨今「人生100年時代」と言われていますが、それはつまり最低70歳までは働く時代だと本書では述べられており(!)、将来の働き方やキャリアの作り方も今までと同じようにはいかなくなっていく…高田さん曰く、そんな時代に生きる私たちにとって、「50 代半ばというのは、自分自身の「未来」を左右する、大変重要なタイミングなのだ」とのこと。 本書では、50代で会社を辞めるための心得、独立する前にやっておくべき行動、そしてフリーランスとして生きるための知恵、それぞれが章ごとにまとめてあり、長年企業に勤めてきた高田さんならではのノウハウが詰まっています。 トヨタの部長だった高田さんが、なぜ転職ではなくフリーランスの道を選んだのか? 会社員時代の経験を生かしたフリーランスになるにはどうすればいいのか? といったところで、今回はスタジオに著者の高田さんをお迎えして、より詳しくお話を伺っていきたいと思います。 ぜひ、本編をお聴きください。 ◆著者プロフィール 髙田敦史(たかだ あつし)さん。A.T. Marketing Solution代表。一橋大学商学部卒業後、トヨタ自動車に入社。宣伝部、商品企画部、海外駐在を経て、2008年、宣伝部の分社化プロジェクト「Toyota Marketing Japan」を担当し、Marketing Directorに就任。2012年からLexus Brand Management部長として、レクサスのグローバルブランディング活動を担当し、2016年、トヨタ自動車を退社。独立後はブランディング領域を中心としたコンサルティング業務、講演活動等を行うとともに、経済産業省が行う「産地ブランディング活動(Local Creators' Market)」のプロデューサーを務める。
新刊ラジオ第1941回「価格はアナタが決めなさい。 輸入ビジネスに学ぶ儲かる仕組み」
粗利70%も夢じゃない!? 自分で価格を決める「輸入ビジネス」とは? みなさんこんにちは。ブックナビゲーターの南雲希美です。 みなさんは「輸入ビジネス」をご存知でしょうか? 海外で仕入れた商品を日本で売る、というシンプルなもので、本書における「輸入ビジネス」は「BtoB 輸入ビジネス」、つまり企業を相手に行うものになります。 自分が海外で仕入れたものを、有名百貨店や大手通販会社へ卸す立場になるということですね。 自分で仕入れて企業に卸すなんて難しいのでは?と思うかもしれません。 しかし、大須賀さん曰く、BtoC(個人を顧客とするビジネス)よりも、BtoB(企業を顧客にする)方がずっと簡単で手間もいらないとのこと。 そして「輸入ビジネス」で重要なのは、タイトルの通り「価格を自分で決める」こと。 それこそ難しい!と感じるかもれませんが、本書では「価格を決めるものが、ビジネスを制す」ということで、自分が十分稼げる価格を決めるノウハウや実践方法も本書で詳しく紹介されています。 さて、それは一体どんなものなのでしょうか? 今回はスタジオに大須賀 祐さんをお迎えして、実際にお話を伺っていきたいと思います。 ぜひ、本編をお聴きください。 ◆著者プロフィール 大須賀 祐(おおすか ゆう)さん。ジェトロ認定貿易アドバイザー(現:AIBA認定貿易アドバイザー)、著述家、講演家、日本貿易学会正会員。早稲田大学商学部卒、東証一部上場企業入社後、3年目で最優秀営業員賞を受賞するも、国内ビジネスに失望し会社を退社。その後、輸入ビジネスの世界にその身を投じ「ジェトロ認定貿易アドバイザー」を取得。現在は輸入ビジネスアドバイザーとしてコンサルティング業務に従事し、全世界的に活躍中。他の著書に『貿易ビジネスの基本と常識(PHP研究所)』『初めてでもよくわかる 輸入ビジネスの始め方・儲け方(日本実業出版社)』など。