平和を愛する世界人として 第13話
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平和を愛する世界人として 第13話

2021-09-20
巨大な秘密の門を開ける鍵   故郷で山という山は全部足を運んで登ったように、ソウルも隅々まで行かなかった所がありません。その頃、ソウル市内を電車が走っていました。電車賃は五銭でしたが、それさえもったいなくて、いつも歩いて行きました。蒸し暑い夏の日は汗をたらたら流して歩き、極寒の冷たい冬は肉を抉るような風をくぐり抜けるようにして歩きました。もともと足が速い私は、黒石洞から漢江を渡って鍾路の和信百貨店まで四十五分あれば着きました。普通の人には一時間半ほどの道のりですから、どれだけ早足だったか想像がつくでしょう。浮いた電車賃は貯めておいて、私以上にお金に困った人に分け与えました。出すのが恥ずかしいくらいの微々たる金額だとしても、大金を出せなくて申し訳ないという気持ちで、そのお金が福の種になるようにと思って渡しました。 四月には故郷からきちんと学費を送ってきましたが、生活が苦しい周囲の人たちを見過ごしにできず、五月になる前に全部なくなりました。学校に行く途中、息も絶え絶えの人に出くわしたことがあります。かわいそうに思うと足が止まってしまい、その人を背負ってニキロほど離れた病院に向かって走り...
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