平和を愛する世界人として 第12話
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平和を愛する世界人として 第12話

2021-09-20
刀は磨かなければ鈍くなる   定州普通学校を終えたあと、住居をソウルに移した私は、黒石洞 (現在のソウル特別市銅雀区内) で自炊しながら京城商工実務学校に通いました。ソウルの冬はとても寒かったです。零下二○度まで気温が下がることも珍しくありませんでした。そのたびに漢江の水が凍ったりもしました。自炊の家 (下宿) は井戸が深くて十尋 (約一八・二メートル。一尋は六尺で約一・八二メートル)以上もありました。紐がよく切れるので鎖をつないで使いましたが、井戸水を汲み上げる時に釣瓶縄に手がペタペタくっつき、口で息をハーハー吹きかけて水を汲んだものです。 寒さ対策に、持ち前の腕を生かして編み物をよくしました。セーターもたくさん着て、厚手の靴下や帽子、手袋もすべて自分で編んで作りました。私が編んだ帽子はとてもかわいくできて、その帽子を被って外に出れば、みんなが私を女性と思うほどでした。 しかし、真冬でも自分の部屋に火を入れたことはありません。火を入れる余裕はなかったし、極寒の中、家もなく道端で凍りついた体を温める人に比べれば、...
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