海外資産への投資にも必須、「金融政策」の基礎知識
日経電子版「マネーのまなび」のPodcastです。アメリカ出身タレントのREINAさんがリスナーと一緒にお金のイロハを学んでいきます。解説は日本経済新聞編集委員の小栗太です。 今回のテーマは「金融政策の基本」です。先週から今週にかけて相次いで開かれている日米欧の中央銀行による金融政策会合。金融政策の現状を知ることは、新NISA(少額投資非課税制度)で全世界株型の投資信託など、海外の資産に投資している人にも大いに役立ちます。 番組では、日米欧の金融政策が重要な転換点にさしかかっていること、そして金融政策が為替相場に大きな影響を与えることの2点について理解を深めました。最初に学んだのは、新型コロナショック後の激しいインフレが収まり、物価を抑えるために政策金利を引き上げてきた欧米の中央銀行が利下げに転じつつある一方、デフレが和らいだ日本では日銀が利上げにかじを切っていることです。 そのうえで、円の対ドル相場の場合、日本とアメリカの金利差が広がると円売り・ドル買いが強まり、金利差が縮むと円買い・ドル売りの動きが出やすいといった基本的な知識を確認。日米金利差が縮みやすくなっている現状では、円高方向に振れやすい相場環境になっていることを学びました。REINAさんは「金融政策をしっかり見ていれば、外貨投資の判断にも役立ちますね」とうなずいていました。 さらに応用編として、円高と株安の相関関係についても学びました。8月初めに日経平均株価が過去最大の下げ幅を記録したのも、日銀の金融政策運営に対する思惑が影響して1日に一時4円も円高になったのが一因だったと考えられます。 番組後半の「Playback〜思い出のあの年」では、1998年を取り上げました。この年は日本経済が不況に陥り、旧日本長期信用銀行や旧日本債券信用銀行が相次いで経営破綻。市場では、日本経済への不信から「日本売り」と呼ばれる大幅な円安・ドル高が進み、政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入を繰り返しました。 小栗は当時、週刊誌「日経ビジネス」の編集に携わっており、毎日深夜まで、破綻した金融機関の関係者を追いかけていたことなどを振り返りました。一方、アメリカに住んでいたREINAさんは「まだ10歳という子供のころで、日本の当時の状況はあまり記憶にないですね」と話し、日本経済の厳しい時代の様子を熱心に聞いていました。 なお今回の「金融政策の基本」について、さらに詳しく知りたい方はこちらの日経電子版の関連記事もお読みください。 ■円相場、市場が身構える「局面変化」 波乱の秋に備え ■外貨投資とは どの国・地域に投資する?基本を知ろう
巨大地震の備えに地震保険 火災保険とセットで加入、後付けも可
日経電子版「マネーのまなび」のPodcastです。アメリカ出身タレントのREINAさんがリスナーと一緒にお金のイロハを学んでいきます。解説は日本経済新聞の岸田幸子です。 今回のテーマは「地震保険の基礎」です。8月8日に日向灘を震源とする地震が発生し、気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報」を発表しました。警戒呼びかけの期間は終わりましたが、巨大地震が起きる確率は今後30年以内に70〜80%とされ、いつ大規模地震が起きてもおかしくない状況です。その際の備えに活用できる地震保険の加入方法や仕組みなどを解説します。 地震保険は単独で加入できず、火災保険とセットで入る必要があります。火災保険だけに加入している人は、契約途中にいつでも地震保険を付けられます。手続きの窓口は原則、加入中の火災保険の契約で利用した代理店です。必要書類がそろっていれば、即日加入できることもあります。ただ、追加書類が必要になるなどのケースもあるので、余裕をもって手続きに着手するといいでしょう。 地震保険は、地震による自宅の倒壊や家財の破損に加えて、津波で家が流されたり、地震による火災で家が焼けたりした場合に保険金を受け取れます。保険金額は火災保険金額の30〜50%の範囲で選ぶ仕組みで、地震保険の保険金だけで住宅を再建するのは困難です。ただ、地震で自宅が倒壊して住めなくなっても住宅ローンの支払いは残るので、貯蓄が少なかったり、住宅ローンを抱えていたりするケースでは、地震保険に加入しておいたほうが無難です。また地震による火災の損害に備え、火災保険に「地震火災費用特約」を付ける手もあります。 番組後半のコーナー「Playback〜思い出のあの年」は、東日本大震災が起こった2011年を取り上げました。岸田は当時は東京本社の電子報道部で仕事をしており、3月11日の地震発生時は、取材先から会社に戻るために山手線に乗っていました。当時、アメリカのビル・クリントン事務所で働いていたREINAさんは、クリントン氏の指示で被災状況や必要になる支援策などのリポートを急ぎ作成したそうです。岸田は被災地で活動する外国人ボランティアを取材して記事を書きました。「『ニッポンの役に立ちたい』 もうひとつのトモダチ作戦」、「仕事やめ被災地の前線へ 外国人ボランティアの献身」の2本です。よろしければ、こちらもお読みください。 なお今回の地震保険やセットで加入する火災保険について、さらに詳しく知りたい方はこちらの日経電子版の関連記事もお読みください。 ■地震保険「後付け」いつでも 代理店が窓口、即日加入も ■火災保険料、負担増を抑える 5年契約・外せる補償吟味
9月相場を左右する高配当・優待株 妙味と留意点を探る
日経電子版「マネーのまなび」のPodcastです。アメリカ出身タレントのREINAさんがリスナーと一緒にお金のイロハを学んでいきます。解説は日経マネー編集長の中野目純一です。 今回のテーマは「高配当・優待株投資のコツ」です。8月上旬の史上最大幅の急落からの回復が止まり、横ばいで推移していた日本株相場は9月4日に再急落。日経平均株価は前日比1638円70銭(4.24%)安の3万7047円61銭で引けました。9月の相場はこのまま軟調に推移するのか、それとも反騰していくのか。相場の行方を左右する要因として注目されるのが、実は高配当株と優待株です。 中野目編集長はまず、「9月は上昇相場になりやすい」という季節的なアノマリー(経験則)を振り返ります。その原動力となるのが高配当株と優待株です。3月期決算企業の中間配当や株主優待を得る権利が9月末に確定するため、その前に投資家の買いが集まり、相場全体を押し上げると考えられています。同じ現象は3月の相場でも起きており、この結果、毎年3月と9月には高配当株と優待株の物色が盛んになります。 近年の日本企業の株主還元強化を受け、高配当株や優待株は以前にも増して人気化しています。ただ、少し前は日経平均が史上最高値を更新する中でこれらの銘柄にも割高感が生じており、配当利回りも切り下がっていました。しかし7月半ば以降の下落局面で高配当株や優待株にも値頃感が出ています。中野目編集長は「今は有望銘柄を手ごろな価格で手に入れるチャンスだ」と続けます。 また、株式の持ち合い解消が広がる中、新たな安定株主として個人投資家の保有を増やすため、優待の新設や拡充に踏み切る企業が再び増えていることにも言及。それも優待株投資の追い風になっていると説明します。一方で、「資金が少ない人には高配当株投資は勧められない」と指摘します。この「落とし穴」にはREINAさんもびっくり。その真意は何なのか。高配当・優待株投資のポイントとともに、番組で確認していきましょう。 番組後半は「Playback〜思い出のあの年」。今回は2016年です。この年、世界の株式市場は2つのショックに襲われて急落しました。1つは、欧州連合(EU)からの離脱を決めたイギリスの国民投票。もう1つは、アメリカ大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利です。後者のショックは1日で終わり、「トランプラリー」と呼ばれる上昇相場に転じました。 中野目編集長は、同年1月に日経ビジネスの副編集長から日経マネーの副編集長に異動し、初めて個人投資家の取材を経験したそうです。その結果、「株は怖いもの」というバブル崩壊期以来の先入観が氷解し、「取材を通じて学んだ株式投資の効用や魅力を、誌面で広く伝えていこうと決意した」と振り返ります。株式市場を襲った2つのショックも勉強になったと述懐し、REINAさんもトランプ氏の勝利で受けた当時の衝撃を語ります。そこから11月5日に投開票される2024年の米大統領選の見通しや、それを踏まえた投資の心構えへと話は広がりました。 なお今回の「高配当・優待株投資のコツ」について、さらに詳しく知りたい方はこちらの日経電子版の関連記事もお読みください。 ■配当と優待の恩恵を両取り 時価総額や財務体質で選別 ■優待株投資、草食系こそ 桐谷さんと「優待弁護士」が対談 ■配当長者になる道筋 2人の実践者がノウハウを伝授
株価暴落時、個人投資家はどうする? 底入れを見抜く指標は
日経電子版「マネーのまなび」のPodcastです。アメリカ出身タレントのREINAさんがリスナーと一緒にお金のイロハを学んでいきます。解説は日経マネー編集委員の大口克人です。 今回のテーマは「株価暴落時の対応」です。8月2日、5日は日経平均株価が大きく下がり、肝を冷やした人も多かったと思います。こういう時に個人投資家はどう行動すべきで、また、相場変動の程度や底入れはどんな指標を見れば分かるのでしょうか。 日経平均は2日に2216円、5日には4451円下げて、直近ピークの7月11日からの下げ幅は1万766円(25.5%)にもなりました。4451円というのはブラックマンデー超え、史上最大の下げ幅です。新NISA(少額投資非課税制度)で投資を始めたばかりの初心者の中には、怖くなって売ってしまった人もいたでしょう。 ただ、翌日の6日にはこれまた史上最大の上げ幅の3217円上昇となり、その後はだいぶ落ち着いてきましたので、やはりあの時、狼狽売りはせずに「様子見」でしのいだ方が良かったと言えそうです。10年、20年と積み立て投資をしている場合、株価の暴落自体は何度か経験することであり避けようがありません。投資額をコントロールすることで、そういう時にも退場せず長く投資を続けていけるようにしたいものです。 なお、底打ちを判断するのに役立つ指標には「日経平均のPER(株価収益率)」「RSI(相対力指数)」「日経平均ボラティリティーインデックス(VI)」などがあり、いくつかは日経の指数公式サイト「日経平均プロフィル」で見られます。番組ではそれぞれ平時はどのくらいの水準で動いており、今回はどうだったのかを、リーマン・ショックやコロナショックと比較しながら詳しく解説しています。 番組後半のコーナー「Playback〜思い出のあの年」、今回はいきなり江戸末期に飛んで1840(天保11)年です。もちろん大口もREINAさんもこの世にいませんが、実はこの年は新紙幣の顔になった渋沢栄一の生年なのです。ただ、渋沢栄一に関しては「日本資本主義の父」「偉大な実業家」というイメージだけで、具体的にどこが偉大なのかがあまり伝わっていないようにも思います。そこで今回は星野泰視先生の漫画の『日本を創った男 〜渋沢栄一 青き日々〜』(秋田書店)をベースに渋沢栄一の生涯をたどり、「彼がいたからこそ、日本に株式投資や日経マネーがある」という話をしました。 なお今回の「株価暴落時の対応」について、さらに詳しく知りたい方はこちらの日経電子版の関連記事もお読みください。 ■株価急落、さあどうする? 新NISA投資初心者への助言 ■揺れた日本株の真相 新NISAの投資術
増える副業 社会保険加入が必要なケースとは?
日経電子版「マネーのまなび」のPodcastです。アメリカ出身タレントのREINAさんがリスナーと一緒にお金のイロハを学んでいきます。解説は日本経済新聞の宮田佳幸です。 今回のテーマは「副業と社会保険」です。最近、副業をする人が増えています。本業が会社勤めなら、基本的に健康保険や厚生年金保険などの社会保険は本業の勤務先で加入しますが、働き方によっては副業先でも加入が必要になるなど、注意すべき点もあります。 本業とは別の企業でパートやアルバイトとして副業をする場合、副業先での労働時間や給与の額などが一定の条件を満たすと、副業先でも健康保険と厚生年金保険の加入が必要になります。その場合は自分で年金事務所に届けを出す必要があります。社会保険料の自己負担も増えますが、収入が増えた分、将来の老齢厚生年金の受給額も増えるメリットがあります。 一方、フリーランスとして副業をする場合は、基本的に本業の勤務先で健康保険と厚生年金保険に加入するのみになり、保険料の自己負担も変わりません。その代わりに、副業で収入が増えても将来の年金受給額は変わりません。 番組後半のコーナー「Playback〜思い出のあの年」、今回は1987年です。この年の10月19日、月曜日はニューヨーク市場で株価が暴落した「ブラックマンデー」の日です。翌日の東京市場でも日経平均株価が史上最大の暴落。そして今年8月5日の月曜日、日経平均株価が下げ幅ではブラックマンデー時を上回り、史上最大に。1987年の市場の混乱は一時的で、その後、日本の株価は1989年末の「バブル」時のピークへと上昇を続けていきましたが、今回はどうなるでしょうか。 ちなみに1987年当時、不まじめな大学3年生だった宮田は週に1度、体育の柔道の授業にはまじめに通っていました。その理由を宮田が説明すると、REINAさんは「え、宮田さ〜ん(苦笑)」とあきれた様子でした。 なお今回の「副業と社会保険」について、さらに詳しく知りたい方はこちらの日経電子版の関連記事もお読みください。 ■会社員の副業、社会保険を確認 厚生年金加入で受給増も