2022年5月20日送分。
「"飛び恥"の克服にはSAFが不可欠?呉越同舟で獲得に乗り出したJALとANAの本音とは!?」
"飛び恥"と言う言葉を覚えていますか?
5、6年前、スウェーデンの十代の環境活動家グレータ・トゥーンベリさんが連呼した、スウェーデン語の"フリーグスカム"の日本語訳です。
英語で言うと"フライトシェイム"つまり、ジェット燃料を燃やすことで 大量の二酸化炭素を排出し、環境への負荷が大きい飛行機の利用は恥であるという概念。当時、流行語にもなりました。
ちょうど世界的に気候変動対策に対する関心が高まっていた時期でもあり、この言葉は、広く受け入れられました。その結果、ヨーロッパやアメリカでは、飛行機を利用する人が減って、航空各社が強い危機感を抱くことになりました。経済・社会的な事件だったと言ってよいと思います。
それに対する、世界の航空業界の答えが、今日の番組タイトルにした『SAF』です。
SAFというのは、「Sustainable Aviation Fuel」の頭文字をとった略語で、持続可能な航空燃料。つまり、石油由来ではない、バイオ燃料の一種です。
IATA(国際航空運送協会)は、去年10月、2050年までに世界の航空業界が排出するCO2の排出量を2005年に比べ半分にするため、各国・地域にSAFの開発を支援するよう呼びかけました。
さらに、日本では、なんと宿命のライバルであるANAとJALが呉越同舟でタッグを組んでSAFの安定確保を訴え、政府に支援を呼び掛けて関連業界の動きを後押しする活動を始めているんです。
ニュービジネスと言う意味では面白い面もあると思いますが、これに乗り遅れると、飛行機を飛ばすことが許されない時代が来るかもしれないという、ちょっと怖い話でもあるんです。
そこで、今日はそんなSAFを巡る動きをまとめてご紹介しようと思います。
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